摂食障害・過食欲求と万引き、クレプトマニア。やめられない心と背景

頭を抱える女性

「頭の中が食べ物のことでいっぱい」

この摂食障害者の欲求と葛藤を、本当に理解できる人っているんだろうか。

もうこれはなったことのある人にしかとうてい理解できないような気がする。

だって私がいくら説明しても、ひどかった時期を知っている人ですらも、本当に理解してなんてくれなかったもの。

どれほどの強い欲求でどんな苦しみと説明すれば、理解してもらえるのでしょう。

家族ですら、医者ですらも理解してくれないのです。

勝手なことを言うだけなのです。

泣きながらひとりで戦っているのです。

そしてその背景には、その人なりの人生があるのです。

摂食障害・過食欲求と万引き、クレプトマニア(窃盗症)

砂に書いたダメ

先日こんなニュースがありました。

2017.11.8

コンビニエンスストアで化粧品や食品などを万引したとして、窃盗の罪に問われた陸上の世界選手権女子マラソンの元代表で無職、原裕美子被告(35)に、宇都宮地裁足利支部は8日、懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。

「女子マラソン元日本代表に有罪判決 万引の背景に摂食障害」

参照サイト:SANSPO.COM http://www.sanspo.com/

彼女は摂食障害なのだそうです。

「万引き」っていう言い方だと子供のころにやってる子も多かったから、そこまで重く感じないかもしれない。

けれどもこれは罪名で言えば窃盗罪になるので、やってはいけない犯罪です。

けれども世間は悪いことだということだけで好奇の目を向け、その人の生き様、背景をきちんと理解してあげられる人なんてほどんどいない。

まあそうですよね、他人なんだもの。

やっちゃったことは人としていけないことだし、非難されて当たり前といえばそのとおりだし。

私はコイツとは違うと思えることは幸せなこと

泣いてる女の子

けれども私には他人事とは思えない。

私はあまりまともな人間じゃないのは自覚していますが、かろうじて万引きはしたことがありません。

けれども、摂食障害者で万引きしちゃう人って、実は多いらしいのです。

実際に私も、過食嘔吐の費用は本当にバカにならないし、すべて無駄に水に流れてしまうだけのものに真面目に働いたお金を使うのはもったいないととても感じます。

それならやめればいいじゃんと思われるかもしれませんが、摂食障害による食の欲求は並大抵の努力じゃやめられないし止まらないのです。

それで悩んで自ら命を絶とうとしてしまう人はとても多い。

 

以前にネットで見つけて読んだこの記事が、ずっと心に引っかかっていました。

極端な小食でやせ細ったり、むちゃ食いしては嘔吐を繰り返すなどの摂食障害。女子刑務所には、この摂食障害を患う受刑者が増えている。多くは窃盗犯で、服役を繰り返す者も多い。

「【塀の中の摂食障害】女子刑務所の患者増加~彼女たちはなぜ万引きを繰り返すのか」

参照サイト:YAHOO!JAPANニュース https://news.yahoo.co.jp/

私はアルコールと摂食障害で依存症専門の病院に入院していたことがあります。

関連記事依存症専門の病院に入院したときのこと

その病院では、アルコールや薬物依存、そしてそれに伴う摂食障害を持つ女性に混じって、万引き依存症といわれるもので入院していた女性も数人いました。

実は私がそこで仲良くしていた女の子たちがたまたま万引き依存の子でした。

 

いろんな話をしました。

過食嘔吐してるもの同士が集まると、そのとき食べてたものとか吐きやすいものとかの話で盛り上がるので、とても仲良くなりました。

万引き依存で入院しているけれど、実は摂食障害・過食嘔吐がいちばんの原因だということ。

けれども摂食障害、万引き依存になった理由なんかを聞いていると、なんだか生きてきた背景がとても悲しいんですよね。

いじめ、親による虐待、過干渉、夫婦の問題。

それぞれなんかいっぱい抱えていました。

だからって万引きしていいっていうわけじゃないので、捕まってそこにいたのです。

苦しみのなかで見つけた砦がダイエット、完璧に痩せられた自分、拒食、過食に過食嘔吐。

それなのにそれがますます自分を苦しめることになる。

なんだか私からしたら、そんなのとっても悲しすぎます。

 

私のこの意見に、反感を持つ人は多いと思います。

けれどもおなじ摂食障害、依存症だからこそ、その背景と辛さと、そのとき踏みとどまれなかった理由もなんとなくわかるのです。

みんなそれぞれ、いろんな辛いことがあっても乗り越えて頑張ってきているのはわかります。

私はコイツとは違うからそんなこと絶対にやらない!といえる人はだから偉いと思います。

けれどもその辛いことに対して乗り越えるだけのキャパと強さがあったということは、幸せなことなんだとも思う。

でもそこまで強くなれない人だっているんです。

自分の意思や希望とはまったく関係ないことで散々他人によって追い込まれてきて、判断が鈍ってしまっている人だっているのです。

なんでうちらが摂食障害になんてならなきゃいけなかったんだろうね、運が悪いよねとも言いたくなります。

摂食障害と万引き依存の現実

夕日の中の女性

このニュースの選手は、次にやってしまって公にされたら確実に実刑かもしれません。

「もう次はないよ」と言われて執行猶予をもらったんだと思います。

実際に万引きで捕まって、実刑になってしまうことはあります。

そしてそんな人によれば、摂食障害もちだと刑務所というところは食事に関する制限が厳しすぎて、出所後確実に摂食障害は悪化するらしいです。

 

万引きに関して今やめられなくて悩んでいるのなら、どんなことがあっても早めに病院で治療を受けてほしいと思います。

摂食障害に関しては私は病院での治療に絶望した経験が多いので、医学的治療はその人の病状によると思います。

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けれども万引きに関しては、捕まってしまう前に病院に行ってほしい。

摂食障害が悪化するかもしれないのだから、他人の力を借りてでも早く治したほうがいいと思うのです。

そして万引きだけじゃなく、きちんと摂食障害も治してください。

他人に縋ってでも、病院を逃げ場にしてでもいいから捕まる前に治してほしい。

そしてこの捕まってしまった彼女のニュースが、もう二度と流れないことを願っています。

コメント

  1. 藤井 慶 より:

    摂食障害は、focal dystoniaの一種で、失声症、書痙と同じメカニズムで発症すると考えられます。これらは、大脳のある部分から摂食中枢、発声中枢、手の運動中枢への抑制経路が出来てしまい。食べようとしても飲み込めない。声を出そうとしても声を出せなくなる。書こうとすると手に力が入らない。という症状がでます。進行するとfocalがボヤケ、拡大することが在ります。書痙の場合は、書けないだけでなく。何でも持てなく成る場合が在ります。摂食中枢は、発声中枢等と異なり、生きて行くのに必要な基本的な中枢で、多分、進行するとその周辺にある社会性、行動規範等に影響する基本的な部分も抑制してしまうのではないでしょうか。現代医学の遅れている分野ですが、刑務所に入れるのは間違いです。

    • こうへいたの母kouheita0629 より:

      藤井さんへ、コメントありがとうございます。
      「摂食中枢は、発声中枢等と異なり、生きて行くのに必要な基本的な中枢で、多分、進行するとその周辺にある社会性、行動規範等に影響する基本的な部分も抑制してしまうのではないでしょうか」
      摂食障害になると、拒食のときは頭が冴える傾向にあると思うのです。
      (それが痩せすぎてエネルギーが足りなさ過ぎるとまた、頭が回らなくなる気がします、私の場合)
      けれども過食傾向もしくは過食欲を無理やり意志で押さえ込もうとしているときは、食に対する欲求が激しすぎてどんなことがあってもそれに逆らうことが困難という状態になってしまうので、普段ではありえないような行動を起こしてしまってもおかしくないと私う思うのです。
      摂食障害者が刑務所などに入るのは、その後の人生でいろいろと不利になるとは思いますが、万引きなどの犯罪を犯してしまってからでは仕方のないこと。
      なので私は、そうなる前に気づいて欲しいと思い今回の記事を書きました。
      たぶん万引きくらいで簡単にそういうところに入れられてしまうという気持ちは希薄だと思います。
      けれども現実を知ってほしい。
      おなじ摂食障害を持つものとして、摂食障害の人がそういう回り道をして欲しくはないですね。